理事長メッセージ(2026年 年頭所感)

謹んで新春のお喜びを申し上げます。日本及び世界の政治・経済状況を通観すると、不確実性も多く難しい問題が山積していますが、新年「午」年は、健康や豊作、発展の象徴でもあり、これら諸問題を乗り越えて、本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念いたしますとともに、当センターを引き続きご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

当センターは、設立後53年(前身の社会開発総合研究所を含む)を迎えますが、国内外の動向が流動かつ大きく変化する状況を鑑み、設立の原点に立ち返り、諸問題の本質を明らかにするとともに、問題解決への方法を具体的に提示し、アクションを取ることに注力する方針です。そうした活動を通して、当センターの社会的価値や経営安定化に資するよう、公益目的支出計画で掲げた事業や関連する新規事業の開拓に向けて有益な一年とする考えです。

具体的には、当センターの主要プロジェクトである「植物工場」、「地域社会創生」に重点を置き、地域社会や産業構造の変化の本質を見据えつつ、これまでの蓄積、ネットワーク等を発展させる取り組みを実施する計画です。

1つは、植物工場プロジェクトの関連事業として、本年は(一財)日本総合研究所が事務局を務める「都市型農業創生推進機構」の活動に積極的に協力し、我が国の食料自給率の向上に資する生産をはじめとする「食と農」の促進、さらに生産・加工・流通・調理(消費)をサイクルとする「食のバリューチェーン」の強化による付加価値を高める取り組みに参画する考えです。当機構では、具体的な事業スキームとして農業に比重を置きながら、「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」と「農福連携」を推進中であり、公益目的支出計画で掲げた事業に関連する新規事業の開拓に進展することを想定しています。

もう1つは、地域社会創生プロジェクトに係る「地域の魅力化プロジェクト」であり、人口減少や過疎化などの本質を見据えた地方と都市部の若者交流を通して問題を明らかにするとともに、問題解決への方法を具体的に提示する活動も推進する計画です。

これまでに多くの皆様に「植物工場」をはじめ関連する調査研究事業でご支援・ご協力をいただきましたことに改めて感謝いたしますとともに、本年も一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

農業の経営安定化と自給率向上への取組(都市型農業創生推進機構の紹介)

(一財)社会開発研究センター理事長 松岡斉

取組の背景・課題

日本の近年(2024年度)の食料自給率は38%(カロリーベース)、エネルギー自給率は12.6%であり、主要7か国においても最低水準です。

国家や地域のレジリエンス(耐久力・回復力)の中核は「食・水・エネルギー」です。しかし、食料やエネルギーの多くを海外に依存している現状では、ロシアによるウクライナ侵攻や中東をめぐる混乱に伴う食料・エネルギー価格の高騰など、国際情勢の影響を大きく受けることになります。今まさに、食料・エネルギー安全保障の強化が日本の喫緊の課題と言えます。

ファンダメンタルズ強化へ原点回帰を

戦後の日本は「豊かさ」を追い求めて経済による復興・成長を遂げてきました。しかし、3.11やコロナ禍を経て、レジリエンスの重要性の教訓を得た日本は、「国民の安全と安定のための産業創生」へと原点回帰すべく、「食と農」や「エネルギー」などのファンダメンタルズ(自給率等の基礎的条件)強化に取組む必要があります。

都市型農業創生推進機構の設立

日本の食料自給率の低さは上述のとおりですが、近年、大都市圏の脆弱さは深刻です。千葉県こそ24%を保っていますが、東京都は0%、大阪府は1%、神奈川県は2%となっています。このため、当センターと研究・調査協力などで関係の深い(一財)日本総合研究所が事務局となり、都市部や都市近郊における都市型農業を推進することを目的に、2023年10月「都市型農業創生推進機構」を設立しました。

「食と農」の取組は生産のみに限りません。加工、流通、調理(消費)までを含めた「食のバリューチェーン」を強化し、付加価値を高めるための取組を推進することが肝要です。

都市新中間層の「食と農」への参画

世界の中でも日本の高齢化は際立っています。また、日本の人口は2008年の1億2,809万人でピークアウトしましたが、人口が1億人を割ると推計される2056年では、1億人を突破した1966年とはその人口構造が大きく異なります。

産業と人口を大都市圏に集中させたことで、総人口に占める首都圏(1都3県)の比重は増え続けてきました。国道16号線沿いに建設されてきた団地、ニュータウン、マンション群に住む「都市新中間層」の高齢化が今、急速に進んでいます。

こうした高齢者を日本のポテンシャルと捉え、「支えられる側」から、「支える側」となるパラダイム転換が必要です。すなわち、都市新中間層が「食べ物は買って食べるもの」という認識から脱却し、「食と農(食のバリューチェーン)」へ参画することが重要です。

農業×エネルギーの視点(農業に比重)

都市型農業の推進において、農業所得の確保など事業性のハードルが高いため、農業に比重を置きつつそれをクリアする付加価値の高い取組として「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」の事業性に着目し、取組を推進中です。

ソーラーシェアリングは、農業と再生可能エネルギーの創出を組み合わせた事例であり、主に以下の効果が期待されています。

  • 〇農業のダブルインカム化(農業収入・売電収入)による「農業経営の安定化」を実現
  • 〇エネルギーの地産地消による自給率向上と2050年ゼロエミッション達成への寄与
  • 〇地域で資金を循環させることで雇用の創出、所得向上、投資の振興
  • 〇地域金融機関に対し優良な投資機会を提供

などを通じて、まずは首都圏における都市型農業の成功事例を複数展開し、これらを全国へ横展開することで、地域の活性化(地方及び産業創生)を実現する取組です。

都市型農業の取組事例

当該機構がスタートして2年が経過し、会員企業等の連携により、千葉県(匝瑳市、佐倉市)、横浜市などで取組事例が進みつつあります。先月(10月)開催された第9回全体会議では、会員同士で連携し、有機さつまいもを原料に市場拡大が見込まれる「グミ」を商品化し、食のバリューチェーンの強化(コラボ商品の創出)を見据え、来夏に上市される、との取組紹介が報告されました。

また、会員が保有する新技術による農資材(生分解性バイオポリマー製マルチシート)を試行した高齢者・障碍者の就農支援(作業工程の軽減)に資する農福連携事業も「横浜モデル」として進展中です。

当センターの情報発信の強化

都市型農業創生推進機構の取組は、当センターとして一般財団法人移行後の中心的な調査研究テーマとして実施してきた「植物工場」とも親和性が高く、今後の付加価値の高い「食と農」の振興とともに、サステナブルな農業経営の安定に寄与することが期待されるため、センターとしても本取組との連携は有益な活動と受け止めています。

当該機構は定期的に全体会議を開催しており、当センターとしても会議運営に積極的に協力し、有用な取組内容について本通信を通じて定期的に情報発信することは、この分野の調査研究テーマの拡充等にも資する対応と考えています。

<参考>

都市型農業創生推進機構パンフレット(データ別添)

「松崎町魅力化プロジェクト2025」掲載のお知らせ

伊豆下田経済新聞(2025年9月26日付)に「松崎町魅力化プロジェクト2025」の活動が掲載されましたので、お知らせいたします。

この活動は、2016年から実施している「わがまち魅力化プロジェクト」の一環で、2024年から静岡県松崎町をフィールドとして活動しているものです。

9月15日~18日にかけて、松崎町においてフィールドワークを行い、それらを踏まえて、最終日に参加学生から地域活性化に向けた事業を提案しました。その様子をご紹介いただきましたので、ぜひご覧ください。

伊豆下田経済新聞

掲載サイトURL:https://shimoda.keizai.biz/headline/882/

理事長メッセージ(2025年 年頭所感)

謹んで新年のお喜びを申し上げます。国内外の政治・経済状況を鑑みると、不確実性も多く難しい課題が山積していますが、これら諸課題を乗り越えて、本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念いたしますとともに、当センターを引き続きご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

当センターは、設立後52年を迎えますが、引き続き経営安定化に資する観点から、直近までに推進した社会的投資及び支援活動に重点をおく取組から得られる果実とともに、公益目的支出計画で掲げた事業に関連する新規事業の開拓に向けて重要な一年とする考えです。

具体的には、ポストコロナ禍や災害が頻発するわが国において、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成による安全で安心な国土と社会開発に資する取組みに注力した「(一社)ふくしま総合災害対応訓練機構」の支援実績を通じて、総務省消防庁の2024年度「市町村長の災害対応力強化のための研修業務」、埼玉県危機管理防災部の令和6年度「埼玉版FEMAシナリオ作成等業務」を当センターと関係の深い(一財)日本総合研究所と協力して推進中であり、次年度もこの実績が社会的事業として定着するよう推進する計画です。

本両業務は、当センターの支援のもとに、直近までに推進した福島県地域復興実用化開発等促進公募事業として同機構が提案した「災害現場でタイムラインに沿ってシームレスに運用するためのシステム開発」の知見等を活かしたものであり、社会的投資及び支援活動の成果が具現化しつつあります。本システム開発の運用により、自治体における災害対応や研修の強化に資するソフト面での防災力向上への寄与が期待されています。

上記を踏まえ、災害訓練現場での対応力向上を想定した運用蓄積に注力するとともに、ソフト面での実績を高める取組を通じて、センターの安定的な組織運営に寄与することを目指す方針です。

加えて、本年は(一財)日本総合研究所が事務局を務める「都市型農業創生推進機構」の活動にも協力し、食料自給率の向上に資する生産をはじめとする「食と農」の促進、さらに「食のバリューチェーン」の強化による付加価値を高める取組に参画する計画です。当機構の具体的な事業スキームとして、「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」を推進中であり、公益目的支出計画で掲げた事業に関連する新規事業の開拓に資する取組に進展することを想定しています。

これまでに多くの皆様に「植物工場」をはじめ関連する調査研究事業でご支援・ご協力をいただきましたことに改めて感謝いたしますとともに、本年以降も一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

理事長メッセージ(2024年 年頭所感)

謹んで新年のお喜びを申し上げます。国内や海外の社会経済状況を鑑みると難しい課題が山積していますが、これら諸課題を乗り越えて、本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念いたしますとともに、当センターを引き続きご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

元日に発生した能登半島地震で被災された多くの皆様に対してお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く平穏な生活に戻られますことを心から願っております。

当センターでは、昨年(2023年3月)の設立50周年を踏まえ、本年は経営安定化に資する観点から、直近3カ年計画で推進した社会的投資及び支援活動に重点をおく取組を通じた新規事業の組成に向けた重要な一年とする考えです。

具体的には、東日本大震災発生から12年が過ぎ、ポストコロナ禍や災害が頻発するわが国において、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成による安全で安心な国土と社会開発に資する取組みに注力する組織「(一社)ふくしま総合災害対応訓練機構」の支援実績を通じて、総務省消防庁の2023年度「小規模市町村及び都道府県の災害時初期対応力向上に係る連携訓練の運営業務」を当センターと関係の深い(一財)日本総合研究所と協力して推進中であり、次年度もこの実績が社会的事業として定着するよう推進する計画です。

本運営業務は、当センターの支援のもとに、直近3カ年計画で推進した福島県地域復興実用化開発等促進公募事業として同機構が提案した「災害現場でタイムラインに沿ってシームレスに運用するためのシステム開発」の知見等を活かしたものであり、社会的投資及び支援活動の成果が具現化しつつあります。本システム開発の運用により、自治体間の連携訓練等に資するソフト面での防災力向上への寄与が期待されています。

上記を踏まえ、災害訓練現場での初期対応力向上を想定した運用蓄積に当面注力し、ソフト面での実績を高める取組を通じて、センターの活動強化と安定的な組織運営に寄与することを目指す方針です。

これまでに多くの皆様に「植物工場」をはじめ関連する調査研究事業でご支援・ご協力をいただきましたことに改めて感謝いたしますとともに、本年以降も一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げる次第です。

理事長メッセージ(2023年 年頭所感)

謹んで新年のお喜びを申し上げます。コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻などを乗り越えて、本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念いたしますとともに、当センターを引き続きご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

当センターでは、本年(2023(令和5)年3月)の設立50周年を見据え、経営安定化に資する観点から、令和2年度事業計画において3年計画で取組む新たな事業の創出に向けた活動の今年は最終年として、社会的投資及び支援活動に重点をおく取組の仕上げに向けて、次年度からの新規事業に繋がる重要な一年にする考えです。

具体的には、東日本大震災発生から11年が過ぎ、現下のコロナ禍や災害が頻発するわが国において、福島の復興、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成による安全で安心な国土と社会開発に資する取組みに注力する組織「(一社)ふくしま総合災害対応訓練機構」の社会的かつ公益的事業に参画し、2023年度には当センターの社会的事業として定着するよう推進する計画です。

このため、2020年6月、その一環として福島ロボットテストフィールド(南相馬市)を最大限活用し、福島県地域復興実用化開発等促進公募事業として同機構が提案した「ロボットを災害現場でタイムラインに沿ってシームレスに運用するためのシステム開発」事業(2023年3月まで)が採択され、当センターの支援のもとに関係自治体、大学、企業等が参画するコンソーシアム(体制)が組まれ、2023年度からの新たな事業創生に資する投資支援活動等が具現化しつつあります。

本事業は、わが国でも稀な人間とロボット(ドローンによる隊列飛行システムの開発、UGV(無人走行車両)の多用途活用用アタッチメントの開発など)の協調・協働型災害対応システムの運用により、ソフト面での防災力向上への寄与が期待されています。本システムは、災害現場での利用環境を想定した運用蓄積に伴い、主に全国の消防本部・消防署等における実装・導入及び海外(特にアジア)への汎用も見込むものです。本事業の成果は、防災をはじめとする関連産業等の市場拡大による福島県浜通り地域の復興、さらに地域経済の発展にもつながり、当センターの事業活動(新規事業開発に資する投資支援等)でも成果が見込まれ、将来の安定的な組織運営にも寄与するものと考えています。

これまでに多くの皆様に「植物工場」をはじめ関連する調査研究事業でご支援・ご協力をいただきましたことに改めて感謝いたしますとともに、本年以降も一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げる次第です。

植物工場の最新動向関連セミナーのご紹介

一般財団法人 社会開発研究センター 植物工場・農商工専門委員会 理学博士 森 康裕 のセミナーが9月16日に下記要領で開催されました。そのご報告をいたします。

●タイトル

植物工場ビジネスの最新動向と今後の商機
~ゼロ・エミッション型植物工場/注目高まるイチゴ栽培の実情も~

●会 場

[東京・京急蒲田]大田区産業プラザ(PiO)6階C会議室

●日 時

2022年9月16日(火) 10:30-16:30

●講師より/本セミナーでの解説事項

 20年の長期にわたり安定稼働、生産を行っている世界初の自動化LED植物工場「コスモファーム」やこれまで登場した植物工場システム(撤退企業含む)で注目された技術をもとに、採算を得られる植物工場に求められる思想と開発・運用のヒントを紹介します。植物工場ビジネスの行き詰まりの原因となっている生理障害と衛生管理等の各種トラブルの対策についても解説します。
また近年の「脱炭素」「エネルギー問題」を踏まえ、ゼロ・エミッション型植物工場への期待も高まっています。その開発上のヒントもお示しします。加えて、今話題のイチゴの植物工場栽培についても、概説します。

●受講して得られる情報は?

・LEDを用いた植物工場の基本的知識と植物栽培用LED照明の開発指針
・LED照射下での水耕栽培技術の基礎と実際(野菜の生理障害対策を含む)
・採算を得られる植物工場の運営と栽培方法
・ゼロ・エミッション型の植物工場を開発する際のヒント
・イチゴ植物工場栽培の現状と可能性

●セミナー内容

1.LED植物工場立ち上げの基礎知識
 1.1 最近の植物工場の動向と参入前に注意すべき事
 1.2 採算を得られる植物工場の条件:建設、運営方法
 1.3 採算性が高いLED植物工場システムの工夫
 1.4 栽培光源としてのLEDの特徴
 1.5 LED光による植物栽培で理解しておきたい光形態形成
 1.6 植物工場用光源の種類と比較:LED、CCFL、HCFL等
 1.7 植物工場用LED照明設計の基礎
 1.8 植物育成用赤色LED素子の性能比較
 1.9 植物栽培に注目されている白色LEDと最新動向
 1.10 植物生育に最適な波長分布を持つ高効率白色LEDの登場
 1.11 植物育成用白色LEDとマクアダム楕円:
    植物と人間生活に最適な光を両立させる難しさ

2.LED植物工場内での養液栽培の基礎
  植物工場のICT化で重要な栽培パラメーター
 2.1 養液の調製と管理のポイント
 2.2 LED植物工場に最適な栽培環境と管理方法:
  光量、温度、湿度、風速、養液温度、溶存酸素、EC、pH、二酸化炭素
 2.3 LED植物工場内での二酸化炭素の施用方法
 2.4 育苗と栽培工程の注意点
 2.5 代表的な生理障害
 2.6 生理障害の特定と対策方法

3.採算性を考慮した栽培:品種選択方法、機能性野菜
 3.1 LED植物工場に最適な栽培作物と人気野菜
 3.2 最近注目されている作物の栽培方法
 3.3 香草栽培の事業性と栽培方法
 3.4 注目されているベビーリーフの栽培方法
 3.5 ベビーリーフ栽培と事業性・採算性
 3.6 LED照明を用いた機能性野菜の栽培方法:
    特定成分の高含量化と低含量化
 3.7 低カリウム野菜、低硝酸態窒素野菜
 3.8 光合成速度測定を利用した効率の良い栽培方法

4.収益性が高い自動化LED植物工場 【コスモファーム・コスモサンファーム他】
 4.1 自動化完全LED植物工場 『コスモサンファーム』
 4.2 世界初の完全制御型LED植物工場 『コスモファーム』
 4.3 コスモファームの照明技術
 4.4 コスモファームの生産工程
 4.5 コスモファームで生産されたレタスの特徴
 4.6 LED照明で栽培されたレタスの栄養成分

5.注目された植物工場システムや技術(撤退、一時生産休止企業含む)
 5.1 液晶TVのバック照明技術を応用した製品(スタンレー電気(株)他)
 5.2 福祉分野(身障者の教育プログラムや経済的自立の支援)で活躍するシステム
   (株式会社ハートフルマネジメント他)
 5.3高演色白色LEDを採用した植物工場システムと画期的なアイデア
   ((株)共立電照他)
 5.4 昭和電工(株)の植物工場システムと高速栽培方法「S法(旧SHIGYO法)」
 
6.植物工場内で多発する各種トラブルと対策方法
 6.1 植物工場内で多発するトラブルの種類と対策方法
 6.2 水耕栽培でも見られる生理障害とその対策
 6.3 植物工場内の多種の細菌、糸状菌類への対策:殺菌、減菌方法
 6.4 LED植物工場内で問題となる資材の消毒方法:塩素系の使用是非など
 6.5 植物工場野菜の完全無農薬の是非:種子由来の農薬の扱い等

7.植物工場技術を応用した関連ビジネス
 7.1 注目される店産店消植物工場とそれを採用したレストランの運営例
 7.2 人気が高い手軽な家庭用栽培装置
 7.3 インテリアへ応用した植物栽培装置
 7.4 花生産への応用の可能性

8.植物工場でのイチゴ栽培の現状と将来性
 8.1 イチゴのウイルスフリー苗生産
 8.2 今話題の種子繁殖型品種「よつぼし」他:注目される理由と実情
 8.3 一季成り性品種の王道「あまおう」「紅ほっぺ、きらぴ香」の栽培の可能性:採算性・課題

9. 植物工場の定義とゼロ・エミッション型への可能性
 9.1 植物工場用電源の低・脱炭素化(植物工場を稼働させる電力)
 9.2 ゼロ・エミッションに向けた植物工場システム販売企業の動向
 9.3 ゼロ・エミッションを見据えた電力の動向

10. その他の植物工場トピックス
 10.1超大型植物工場か超小型植物工場か:規模の二極化
 10.2 IoTを活用した自動化LED植物工場の可能性と最新動向
 10.3 全自動植物工場の可能性(播種から収穫まで)
<質疑応答>

●講演内容とレポート

2022年9月15日に[東京・京急蒲田]大田区産業プラザ(株式会社 情報機構主催)で、
「植物工場ビジネスの最新動向と今後の商機」~ゼロ・エミッション型植物工場/注目高まるイチゴ栽培の実情も~
というテーマで、6時間(休憩含む)講演を行った。

 主な内容は、植物工場の多くで栽培されている葉菜類(フリルレタス)の植物工場ではなく、最近、植物工場の栽培作物として注目され、積極的に試験栽培されているイチゴ植物工場の可能性や採算性、最適なイチゴ品種についてである。加えて、IoTの活用やスマート農業化の発展に貢献して注目されている代表的なシステムとゼロ・エミッション型の植物工場やSDGsをテーマとして、自然エネルギーを活用した最新の植物工場技術のご紹介をした。

 また、これから植物工場事業を始める方向けの内容として、LED植物工場運用に必要な栽培ノウハウや栽培環境のICT化に重要な項目、ならびに昨今、植物工場ビジネスの行き詰まりの原因となっている生理障害と衛生管理等の各種トラブルの対策について解説した。

 今回、対面での講演であったことと、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況だったため、受講者が少なかったが、参加者の傾向としては、電機・電子部品メーカーや実際に植物工場を運営している専門家が多かった。

 講演を終えた感想として、イチゴ植物工場の将来性や植物工場内での詳細なイチゴの栽培工程に対する関心が非常に高いことがわかり、講師側としても参考になる講演であった。加えて、業種を問わずゼロ・エミッション型の植物工場の技術である培養液等の排液を出さない資源循環型の植物工場に関する問い合わせが多かった。ゼロ・エミッション型の植物工場については、次回の講演で、是非、活かしたいと考えている。

植物工場の最新動向関連セミナーのご紹介

一般財団法人 社会開発研究センター 植物工場・農商工専門委員会 理学博士 森 康裕 のセミナーが6月23日に下記要領で開催されました。そのご報告とともに、次回セミナーについても言及しております。

●タイトル

LED植物工場の最新動向と採算性を考慮した運用方法及びトラブル事例・対策

●会 場

東京・御茶ノ水・連合会館(旧 総評会館)+Zoomによるオンライン配信

●講演要旨文

20年の長期にわたり安定稼働、生産を行っている世界初の自動化LED植物工場「コスモファーム」やこれまで登場した植物工場システム(撤退企業含む)で注目された技術をもとに、採算を得られる植物工場に求められる思想と開発・運用のヒントを紹介する。加えて、IoTの活用やスマート農業化の発展に貢献して注目されている代表的なシステムについても、話題の技術について講師の視点から紹介する。また、LED植物工場運用に必要な栽培ノウハウや栽培環境のICT化に重要な項目、ならびに昨今、植物工場ビジネスの行き詰まりの原因となっている生理障害と衛生管理等の各種トラブルの対策についても解説する。

●習得知識

・LEDを用いた植物工場の基本的知識
・植物栽培用LED照明の開発指針
・LED照射下での水耕栽培技術の基礎と実際(野菜の生理障害対策を含む)
・植物工場のICT化で重要な環境制御項目
・採算を得られる植物工場の運営と栽培方法
・福祉分野(身障者の教育プログラムや経済的自立の支援)で植物工場を運用する際のヒントと機能性野菜の栽培方法

●プログラム

1.LED植物工場立ち上げの基礎知識と留意点
 1.1 最近の植物工場の動向と参入前に注意すべき事
 1.2 採算を得られる植物工場の条件:建設、運営方法
 1.3 採算性が高いLED植物工場システムの工夫
 1.4 栽培光源としてのLEDの特徴
 1.5 LED光による植物栽培で理解しておきたい光形態形成
 1.6 植物工場用光源の種類と比較:LED、CCFL、HCFL等
 1.7 植物工場用LED照明設計の基礎
 1.8 植物育成用赤色LED素子の性能比較
 1.9 植物栽培にもっとも注目されている白色LEDと動向
 1.10 植物生育に最適な波長分布を持つ高効率白色LEDの登場
 1.11 植物育成用白色LEDとマクアダム楕円
    ~植物と人間生活に最適な光を両立させる難しさ~

2.LED植物工場内での養液栽培の留意点
 ~植物工場のICT化で重要な栽培パラメーター~
 2.1 養液の調製と管理のポイント
 2.2 LED植物工場に最適な栽培環境と管理方法
   ~光量、温度、湿度、風速、養液温度、溶存酸素、EC、pH、二酸化炭素~
 2.3 LED植物工場内での二酸化炭素の施用方法
 2.4 育苗と栽培工程の注意点
 2.5 代表的な生理障害
 2.6 生理障害の特定と対策方法

3.採算性を考慮した栽培方法と工夫
 ~品種選択方法、機能性野菜~
 3.1 LED植物工場に最適な栽培作物と人気野菜
 3.2 最近注目されている作物の栽培方法
 3.3 香草栽培の事業性と栽培方法
 3.4 注目されているベビーリーフの栽培方法
 3.5 ベビーリーフ栽培と事業性・採算性
 3.6 LED照明を用いた機能性野菜の栽培方法
   ~特定成分の高含量化と低含量化~
 3.7 低カリウム野菜、低硝酸態窒素野菜
 3.8 光合成速度測定を利用した効率の良い栽培方法
 3.9 IoTを活用した自動化LED植物工場の可能性と最新動向

4.収益性が高い自動化LED植物工場
 【コスモファーム・コスモサンファーム他】
 4.1 自動化完全LED植物工場 『コスモサンファーム』
 4.2 世界初の完全制御型LED植物工場 『コスモファーム』
 4.3 コスモファームの照明技術
 4.4 コスモファームの生産工程
 4.5 コスモファームで生産されたレタスの特徴
 4.6 LED照明で栽培されたレタスの栄養成分

5.注目された植物工場システムや技術(撤退、一時生産休止企業含む)
 5.1 液晶TVのバック照明技術を応用した製品
   (スタンレー電気(株)他)
 5.2 福祉分野(身障者の教育プログラムや経済的自立の支援)で活躍するシステム
   (株式会社ハートフルマネジメント他)
 5.3高演色白色LEDを採用した植物工場システムと画期的なアイデア
   ((株)共立電照他)
 5.4 昭和電工(株)の植物工場システムと高速栽培方法「S法(旧SHIGYO法)」

6.植物工場内で多発する各種トラブルと対策方法
 6.1 植物工場内で多発するトラブルの種類と対策方法
 6.2 水耕栽培でも見られる生理障害とその対策
 6.3 植物工場内の多種の細菌、糸状菌類への対策:殺菌、減菌方法
 6.4 LED植物工場内で問題となる資材の消毒方法:塩素系の使用是非など
 6.5 植物工場野菜の完全無農薬の是非:種子由来の農薬の扱い等

7.植物工場技術を応用したビジネス
 7.1 店産店消植物工場
 7.2 『店産店消小型植物工場』を採用したレストランの運営例
 7.3 人気が高い手軽な家庭用栽培装置
 7.4 インテリアへ応用した植物栽培装置
 7.5 花生産への応用の可能性
 7.6 イチゴのウイルスフリー苗生産

8.植物工場の最新動向と今後の展望
 8.1 注目されているイチゴ植物工場の可能性と将来性
8.2 低・脱炭素化への適合
 8.3 ゼロエミッション植物工場
 8.4 全自動植物工場の可能性(播種から収穫まで)

2022年6月23日に新お茶の水・連合会館会議室((株)技術情報センター主催)で「LED植物工場の最新動向と採算性を考慮した運用方法及びトラブル事例・対策」というテーマで6時間(休憩含む)講演を行った。

 主な内容は、20年の長期にわたり安定稼働、生産を行っている世界初の自動化LED植物工場「コスモファーム」やこれまで登場した植物工場システム(撤退企業含む)で注目された技術をもとに、採算を得られる植物工場に求められる思想と開発・運用のヒントである。加えて、IoTの活用やスマート農業化の発展に貢献して注目されている代表的なシステムについても、話題の技術について講師の視点から紹介した。また、LED植物工場運用に必要な栽培ノウハウや栽培環境のICT化に重要な項目、ならびに昨今、植物工場ビジネスの行き詰まりの原因となっている生理障害と衛生管理等の各種トラブルの対策についても解説した。

 今回、対面での講演に加えてZoomによるオンライン配信も同時に行ったため、複数の方に受講いただくことができた。参加者の傾向としては、電機・電子部品メーカーや建設業者といった植物工場に関連する業種や大学講師等の専門家が多かった。

講演を終えた感想として、「脱炭素」「エネルギー問題」を踏まえたゼロ・エミッション型植物工場開発への将来性に対する関心が非常に高いことがわかり、講師側としても参考になる講演であった。

 専門的な話題としては、植物工場の多くで栽培されている葉菜類(フリルレタス)の植物工場ではなく、イチゴの植物工場栽培について注目される受講者が多く質問が非常に多かった。

 次回は、9月15日に(株)情報機構主催で6時間セミナーの開催を予定(https://johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC220915.php)しているので、是非、活かしたいと考えている。テーマは、「植物工場ビジネスの最新動向と今後の商機」~ゼロ・エミッション型植物工場/注目高まるイチゴ栽培の実情も~(仮題)である。

理事長メッセージ(2022年 年頭所感)

謹んで新年のお喜びを申し上げます。コロナ禍を乗り越えて、本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念いたしますとともに、当センターを引き続きご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

当センターでは、来年(2023年3月)の設立50周年を見据えて、経営安定化に資する観点から、令和2年度事業計画において3年計画で取組む新たな基幹事業の創出に向けた活動を引き続き展開するため、社会的投資及び支援活動により重点をおく考えです。

具体的には、東日本大震災発生から10年が過ぎるとともに、現下のコロナ禍や災害が頻発するわが国において、福島の復興、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成による安全で安心な国土と社会開発に資する取組みに注力する組織「(一社)ふくしま総合災害対応訓練機構」の社会的かつ公益的事業に参画し、2023年度には当センターの社会的基幹事業として定着するよう推進する計画です。

このため、2020年6月、その一環として福島ロボットテストフィールド(南相馬市)を最大限活用し、福島県地域復興実用化開発等促進公募事業として同機構が提案した「ロボットを災害現場でタイムラインに沿ってシームレスに運用するためのシステム開発」事業(2022年度まで)が採択され、当センターの支援のもとに関係自治体、大学、企業等が参画するコンソーシアム(体制)が組まれ、2023年度からの基幹事業創生に資する投資支援活動等が具現化しつつあります。

本事業は、わが国でも稀な人間とロボットの協調・協働型災害対応システムの運用による、ソフト面での防災力向上への寄与が期待され、災害現場での利用環境を想定した運用蓄積に伴い、主に全国の消防本部・消防署等における実装・導入および海外(特にアジア)への汎用も見込むものです。本事業の成果は、防災をはじめとする関連産業等の市場拡大による福島県浜通り地域の復興、さらに地域経済の発展にもつながり、当センターの事業活動(新規事業開発に資する投資支援等)でも成果が見込まれ、将来の安定的な組織運営にも寄与するものと考えています。

これまでに多くの皆様に「植物工場」をはじめ関連する調査研究事業でご支援・ご協力をいただきましたことに改めて感謝しますとともに、本年以降も一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げる次第です。